オンラインセミナー クリーンな変革に向けた新エネルギーフォーラム‐水素テクノロジーの開発における日本・ポーランド協力
30.12.2021
11月30日、「クリーンな変革に向けた新エネルギーフォーラム」の第2弾として、水素テクノロジーの開発における日本・ポーランド協力をテーマにしたオンラインセミナーが開催され、約300名の方々の出席を賜りました。再生可能エネルギーへの転換は両国に共通する課題です。当大使館では、同分野における日本・ポーランド協力を推進するため「クリーンな変革に向けた新エネルギーフォーラム」をシリーズで開催しています。第1弾は今年6月に洋上風力発電をテーマに開催されました。
政府機関、地方自治体、企業、コハンスキ & パートナーズ法律事務所(K&P)など多様なプレゼンテーションが紹介される中、日本企業の関心を集めたのは、ヴィエルコポルスキェ県です。ポーランド水素戦略(添付ファイル参照)の定める水素経済の導入拠点、いわゆる5ヶ所の「水素バレー」のうちの1つが建設される同県は、日本との協力に高い関心を寄せています。一方、ポーランド側参加企業が日本側パートナーとの協力を模索する上で大いに参考になったのは、株式会社 日本貿易保険(NEXI)によるプレゼンテーションです。公的保険会社であるNEXIは、日本企業の輸出戦略および海外展開を支援し、日本企業が海外において展開するグリーン投資プロジェクトに関しても、様々な支援策を拡充しています。
日本・ポーランドの企業間で既に進められている協力の実例として、ポーランドのエネルギー業界大手のグルーパ・ロトスとトヨタ・モーター・ ポーランド(TMPL)が両社の取り組みを紹介しました。ロトス社は現在、「Pure H2」プロジェクトとして6つの事業を展開しており、そのうちの1つであるグダンスクとワルシャワにおける水素ステーション網の建設を、トヨタの現地法人であるTMPLと2年前から提携して進めています。TMPLは更に、ハイブリッド・トランスミッションの開発等を通じ、長年にわたり道路輸送における水素技術の利用促進に向けて取り組んでいること、ポーランドに建設される水素バレーに関連した協力の展望について発表しました。
旭化成株式会社、三菱ケミカルホールディングスグループ、国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構(JAEA)、東レ株式会社は、それぞれ異なる製法による先進的な水素製造プロジェクトを紹介し、ポーランド側参加者の高い関心を集めました。
最後は、ワルシャワ大学熱工学研究所、ポーランド国立エネルギー研究所、東京大学生産技術研究所、九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I²CNER:アイスナー)の研究者たちによるパネル・ディスカッションが開催され、田中 伸男 前国際エネルギー機関(IEA)事務局長、ICEF 委員長による閉会の言葉で締めくくられました。(ICEF:技術イノベーションによる気候変動対策を協議することを目的として、2014年以降毎年、日本政府主導で開催されている国際会合)
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素材
2030年までのポーランド水素戦略2030年までのポーランド水素戦略.pdf 1.63MB