駐日ポーランド共和国大使館におけるゼノさんの日
24.04.2024
2024年4月24日、ポーランドのフランシスコ会宣教師であるゼノン・ジェブロフスキ修道士を偲ぶため「駐日ポーランド共和国大使館におけるゼノさんの日」が開催されました。
ゼノン修道士は1930年4月24日に来日し、1982年4月24日に昇天されました。このため、この日4月24日は来日記念日であり命日にもあたります。当日は、ポーランド広報文化センターならびにアリの街実行委員会が制作したゼノン・ジェブロフスキ修道士に関するパネル展の開会にはじまり、ゼノン修道士の実の甥であるイェジ・ジェブロフスキ神父が登壇され、続いて朗読劇、聖歌が披露されました。
ゼノン・ジェブロフスキ修道士は1930年4月24日に聖マクシミリアン・マリア・コルベ神父、ヒラリオ・ウィサコフスキ修道士とともに長崎の大波止港に降り立ちました。やがて1931年1月、ポーランドの宣教師たちはカトリックの修道院を長崎に設立し、日本のニエポカラヌフ「無原罪の聖母の園」と名付けます。1945年長崎に原爆が投下された後、戦災孤児たちを修道院に集め、保護するうちに孤児院が作られました。ゼノン・ジェブロフスキ修道士は、日本全国の支援を必要とする人々へ無償の支援を差し伸べながら、生涯を日本で過ごしました。東京では墨田区にあった「アリの街」において奉仕活動を行いました。ポーランドのフランシスコ会修道士による精力的な慈善活動は日本の主要紙の紙面を飾ったため、ゼノさんは今も尚日本の人々の記憶に残っています。
パヴェウ・ミレフスキ駐日ポーランド共和国大使は、歓迎のご挨拶において日本・ポーランド関係における人道主義の役割について述べました。その好例として、1920~22年にかけての日本政府によるポーランド人孤児約800名のシベリアからの救出、戦後の日本におけるポーランド人宣教師たちの活動、日本における震災に際してポーランドが行ってきた支援をあげました。またミレフスキ大使は、ボストンのチェンストホーヴァ聖母管区長であり、遥々アメリカから駆け付けてくださったゼノン・ジェブロフスキ修道士の実の甥であるイェジ・ジェブロフスキ神父に感謝の意を述べました。ユスティナ・ログスカ ポーランド広報文化センター副所長は、ポーランド広報文化センターがこの日のためにアリの街実行委員会との協働により制作したパネル展『ゼノさん ありがとう!』(解説文:石飛 仁氏 記録作家・『ポーランドから来た 風の使者ゼノ』著者、監修:イヴォナ・メルクレイン青山学院大学教授)の開会を宣言しました。ゼノ修道士の生涯を辿る展示は、宣教のため長崎に降り立った瞬間から、第二次世界大戦後の慈善活動、家を失くした子供たちへの支援など、日本全国を駆け巡ったゼノさんの足跡を石飛 仁氏ならびに聖母の騎士修道院所蔵の貴重な写真資料とともに紹介するものです。
「駐日ポーランド共和国大使館におけるゼノさんの日」には「かぎりない愛・ゼノの記念碑」の管理者である枝見太朗 財団法人富士福祉事業団理事長、ゼノン修道士に精通されているイヴォナ・メルクレイン青山学院大学教授をはじめ、在日ポーランド人、カトリック教会、アリの街実行委員会、社会福祉法人「ゼノ」少年牧場(障害者支援施設)、ポーランド文化関係者等約120名の方々にご参加いただきました。駐日ポーランド共和国大使館では、今後もポーランドのフランシスコ会宣教師を偲ぶ事業を開催する予定です。その前に、イェジ・ジェブロフスキ神父がゼノン修道士に関するウェブサイトを開設されましたので、是非ご高覧ください。 https://www.brotherzeno.com 今後、日本語版も開設される予定です。