戦争勃発から2 年~ポーランドの対ウクライナ支援~
24.02.2024
2022 年2 月24 日、ロシア連邦はあらゆる国際法に違反し、隣国ウクライナに侵攻しまし た。これにより欧州では第二次世界大戦後、最大の人道危機が発生しました。戦争開始以来、 ウクライナではロシアの攻撃で1 万人以上の民間人が死に至り、1 万8500 人が負傷しまし た。約630 万人のウクライナ人がヨーロッパをはじめとする世界各地に避難しました。
本日ロシアによるウクライナ侵攻から2年が経過しました。ポーランドはウクライナおよびウクライナ避難民支援の最前線に立つ国の一つとして、財政、人道、軍備、政治、外交のあらゆる分野で支援を行っています。戦争開始から1年間でポーランド政府は110億ユーロ(GDPの約2%)を様々な支援に拠出しました。2023年末時点では200億ユーロ(GDPの約3,1%)にのぼっています。
ポーランドはまた各国からの人道支援の最も重要な輸送ハブとなっています。これまで、ポーランドを通じて57カ国が7億4000万ユーロ相当の人道支援をウクライナに届けています。ポーランドでは、戦略備蓄庁が「欧州市民保護メカニズム(European Civil Protection Mechanism)」の枠内で設置した輸送センターをはじめ、医療後送ハブ(MEDEVAC)、エネルギー・ハブ(RescUE)などウクライナ支援を専門とするハブが設立されました。
直接的な人道、財政、軍事支援に加え、ポーランドは国連(WFP国連世界食糧計画、FAO国連食糧農業機関、UNICEF国際連合児童基金、OCHA国連人道問題調整事務所、UNHCR国連難民高等弁務官事務所)および赤十字国際委員会(ICRC)に多額を拠出しています。2022年には1400万ポーランド・ズウォティ(PLN)が、2023年には更に1600万PLNが上記の機関を通じて供与されました。
現在も約100万人のウクライナ避難民がポーランドに滞在しています。その90%以上が女性と子供、高齢者です。これまで170万人のウクライナ避難民がポーランドのマイナンバーにあたるPESELを取得し、ポーランド国民と同様の公共サービスを利用する権利を得ています。ポーランド政府は、こうした人々が無料の医療、社会保障、教育を受けられるよう取り計らった結果、19万人のウクライナ人児童がポーランドの学校に通っています。
最新の世論調査では85%のポーランド人がウクライナ支援は必要であると回答し、94% のウクライナ人がポーランドは友好国であると回答しています。戦争の開始以来、ポーランド人の80%が、生活必需品の寄付、募金への参加、ボランティア活動、自宅を開放してウクライナ人を招き入れる等のウクライナ支援活動に携わっています。ポーランド人のこうした努力の甲斐もあり、これまでポーランド国内に難民キャンプは一度も設置されていません。
東側国境の先での戦争が2年におよぶ中、ポーランド政府はウクライナとの連帯を維持し、必要な限りいつまでも隣国とウクライナ避難民を支援することを宣言しています。挑発されていない、正当性のないロシアの攻撃により、膨大な人的および経済的被害を受けたウクライナにとって、今後最も重要になるのは戦後の復興に対する支援です。ポーランド政府は破壊されたインフラ等の復興に投資意欲のあるポーランド企業が活動できるよう既に準備を進めています。ポーランドを含むEU諸国による支援は、ウクライナの復興と近代化プロセス、しいては早期EU加盟に向けて大きな意味を持ちます。