オンライン・セミナー「三海域イニシアティブ-日本と日本の投資家にとっての機会-」を開催
オンライン・セミナー「三海域イニシアティブ-日本と日本の投資家にとっての機会-」は、駐 日ポーランド共和国大使館、日本国外務省、海外投融資情報財団(JOI)の共催により 6 月 29 日に 開催されました。経済界、外交団を中心に 180 名以上の方々にご参加いただきました。
「三海域イニシアティブ(3SI)」は 2015 年にポーランドとクロアチアが主導し、その他の中東 欧諸国 10 カ国が加わって発足した政治経済プロジェクトです。三海域イニシアティブ投資基金を通じて、エネルギー、交通・運輸、通信・デジタルの三つの優先分野へのインフラ投資を行い、加盟 国のインフラと連結性を向上させることを目的としています。また、その実現によって EU 内の東 西格差を縮小させることを目標としています。
第 1 部では、パヴェウ・ミレフスキ駐日ポーランド共和国大使、宇都 隆史 日本国外務副大臣、 パヴェウ・ヤブウォンスキ ポーランド共和国外務副大臣、マリエタ・アラバジエヴァ駐日ブルガ リア共和国大使、ベアタ・ダシンスカ-ムジチュカ ポーランド政策投資銀行(BGK)総裁、前田 匡史 国際協力銀行(JBIC)代表取締役総裁、清水 章 日本経済団体連合会ヨーロッパ地域委員会企 画部会長、星野 芳隆 日本貿易振興機構(JETRO)理事が登壇しました。三海域イニシアティブは、 地域の経済発展はもちろん欧州の安全保障と結束に資すること、エネルギー、交通・運輸、通信・デジタル分野における中東欧地域の連結性の強化は、脱炭素化の観点からも重要であることが強調 されました。7 月 8、9 日にソフィアで開催される三海域イニシアティブ首脳会合および同時開催さ れる金融機関、企業を対象としたビジネス・フォーラムへの参加を呼びかけました。日本側講演者からは、現在、中東欧地域に進出している日本企業の負担になっている輸送費が、三海域イニシアティブ投資基金の実施する交通・運輸インフラ投資によって、改善されるだろうととの見解も紹介されました。
第 2 部はビジネスフォーラムとして、三海域イニシアティブ投資基金の投資運用会社である Amber Infrastructure Group の代表者がプレゼンテーションを行いました。ジョー・フィリップス投 資マネージャーは、総額 7000 億ユーロ以上の投資が必要であると試算し、その内 40%に当たる 2900 億ユーロが交通・運輸インフラ、同じく 40%に当たる 2900 億ユーロがエネルギー・インフラ、 残る 20%を占める 1600 億ユーロが通信・デジタル・インフラに充てられるべきであると解説しま した。これまでに同基金は 170 案件を評価し、そのうち上記 3 分野からそれぞれ 1 案件ずつ計 3 件 -電気機関車リース事業の Cargounit 社を買収、Greenergy Data Centers 社の過半数の株を取得、太 陽光発電事業等の Enery 社の相当数の株を取得しました。
当セミナーは三海域イニシアティブを日本において紹介する初の事業であり、日本の機関・個人 投資家を募るためのプロモーションとして開催されました。